REAL WORK

本物にこだわる仕事

世界に誇れる、現在進行形のメイド・イン・ジャパンをご紹介します。
研ぎ澄まされた美しいデザイン、使って心地よく、長く愛用できるクオリティ。
逸品が生まれる背景には、作り手の真摯な思いが息づいています。

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琺 瑯

Anbi 各¥7,560(税込)

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洗練と温かみが溶け合う、美しきキッチンツール

クリアな色、艶やかな質感、手にすると感じる心地よい重さ。
鉄とガラスが出合って生まれた琺瑯(ほうろう)は、独特の存在感が魅力。
現代的にアップデートされ、キッチンにモダンに映える。

琺瑯とは、金属(おもに鉄)の表面に、ガラス質を焼き付けたもの。耐熱・保温性が高い、酸や塩分に強い、臭いや色がつきにくいなど、保存・調理用具に適した多くの特性を持っている。野田琺瑯は国内で唯一、鋼板の成型から焼成までを自社で一貫して行う琺瑯メーカー。1934年の創業以来、鍋やケトルといった生活用品や、病院や学校の洗面器などの理化学用品を手がけている。「商品開発の際は、試作品を使い込み、何度も修正を重ねます。周囲からは『そんな細かいところを?』と思われるかもしれませんね」と、営業企画部長の野田靖智さんは笑う。人気の「ホワイトシリーズ」も、そんな風にできた品だ(左の製作風景写真)。靖智さんの母で、社長夫人でもある野田善子さんが消費者目線で提案した冷蔵庫用保存容器のシリーズで、保存容器ながら直火やオーブンにかけられ、そのまま食卓に出せる。「当時は冒険だった」という真っ白な色も食材が映えると大好評。料理家やスタイリストが愛用品として紹介したのも手伝って、キッチンの定番として現在もファンを増やし続けている。ちなみに、商品自体はシンプルで洗練されたデザインながら「このシリーズは用途がとても広いので、『こんなこともできる』と使い方を紹介したかった」と、詳細な取り扱い説明書がついているのもユニーク。作り手の思いが伝わってくるようだ。

現在、栃木にある工場には60人ほどが勤務。鋼板をプレスして成型し、釉薬をかけて焼成するという基本の工程は昔から変わらず、手作業の箇所も多い。季節や窯の温度で釉薬の配合を調整するなど繊細さが求められ、均一に釉薬をかけられるようになるには10年ほどかかるとか。近年は若手が加わり、丁寧なもの作りを受け継いでいる。そんな野田琺瑯の最新作は、工業デザイナー・山田耕民氏がデザインしたポット「アンビ」(上写真)。あらゆる角度から見て美しい、という意味を込め、丸・三角・四角を組み合わせたフォルムはかなりのインパクトながら、キッチンにすっと溶け込む控えめさもある。「これまでにない雰囲気に仕上がったと思います。うちのスタッフは皆琺瑯が大好き。よりよい商品をと日々試行錯誤しています。気になった品があったら、ぜひ実際に手にとっていただけたら嬉しいですね」

撮影 : 松園多聞

Navigator : 野田琺瑯株式会社
営業企画部長 野田靖智さん
HP:http://www.nodahoro.com