REAL WORK

本物にこだわる仕事

世界に誇れる、現在進行形のメイド・イン・ジャパンをご紹介します。
研ぎ澄まされた美しいデザイン、使って心地よく、長く愛用できるクオリティ。
逸品が生まれる背景には、作り手の真摯な思いが息づいています。

Back Number
鞄

マフラー
素材:ウール100%
価格:14,040円(税込)

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美しきホームスパンの原点、手紡ぎ・手織りのマフラー

素朴で温かみのある風合いを持ちながら、モノとして高い完成度を極めている。
さりげないけど印象に残るマフラーは、受け継がれた伝統に新たな試みを融合させて
「見たことがない布」を模索する、岩手の小さな工場の原点とも言える一品だ。

ホームスパンとは、家で(home)紡ぐ(spun)という言葉の通り、もとは羊毛農家が作っていた手紡ぎ手織りの毛織物のこと。現在ではこれに限らず、手織りに近い風合いを持った厚手のざっくりした織物のことを指す。「英国で生まれ、日本に入ってきたのは明治時代。この地域は気候が羊の飼育に適していた、鉄道があり交通の便がよかったなどの好条件が重なり、農家の副業として盛んに行われていたそうです」と話してくれたのは、(株)日本ホームスパンの菊池久範さん。当時より培ってきたノウハウを出発点に、現代のニーズに合わせた生地作りを手がける同社。美しさ・柔らかさ・軽さを備えたツイードは世界的に評価が高く、誰もが知るフランスの高級ブランドに10年以上生地を供給するなど、国内外の最新ファッションで存在感を発揮している。

「うちは意匠糸と呼ばれる、素材や色が異なる糸を撚り合わせたり、ネップを撚り込んだりした糸を使った布作りを得意としています。太さや強度が均一でない糸を織るのはとても難しいのですが、そもそも手紡ぎの糸を扱っていたので適応する技術があり、新しい試みに繋がりました」これを支えるのがデザイン、糸作り、染め、織りまで一貫して手がける独自の生産システムだ。「一般的には布の生産は分業制。ですがここでは農家が個々の家庭で羊を飼い、その羊毛で作っていたという背景があるため、一箇所ですべての工程を担う方法が定着しています。このため例えば織る時に問題が起こったら、織りだけでなく糸作りも見直すといった具合に、各工程を精査して最適な対応ができるんです」

「昔ながらの手紡ぎ手織りの風合いを大切に、機械や新たな手法を取り入れ“見たことのない布”を生み出し続ける。「言葉の通じない海外のバイヤーさんにも、でき上がった布がすべてを語ってくれます。これからも私たちにしかできないホームスパンを追求していきたいですね」

Navigator:株式会社日本ホームスパン 取締役 菊池久範さん
HP:http://www.homespun.co.jp