歩きたくなる道

歩きやすさを追求したリーガルウォーカー。
その一足を履いて、歩きたくなる道があります。
全国に点在する、味わい深く、散歩が楽しい道をご紹介します。

伝承された技術と地元の愛情で組み上がる道 伝承された技術と地元の愛情で組み上がる道

岩国市を流れる錦川に架けられた錦帯橋。
1674年の再建以来、架け替えを繰り返しながら276年間その姿を保ち続けた。
1950年、キジア台風の襲来で無念にも流出してしまったが、その日のうちに、市議会が錦帯橋復旧を政府へ要請することを決議。
さらにコンクリート橋への変更も退けて木造での復旧を遂げるなど、市民の深い愛情を受けて今なお威容を誇っている。
山川が織りなす風景に心癒されながら、日本三名橋のひとつである橋を歩いてみよう。

この道を知る

1600年、関ケ原の戦いにおける主君毛利家への忠義が認められ、初代岩国藩主となった吉川広家(きっかわひろいえ)。合戦後の不安定な情勢から領地内に山城が築かれ、錦川を外堀とした防御型の都市が誕生した。しかし、城下町を隔てる錦川の幅は約200m。高度な架橋技術がないことで、橋を架けては洪水に見舞われて流出した。
現在の錦帯橋が誕生したのは、第三代藩主吉川広嘉(きっかわひろよし)の時代。中国の名所、杭州の西湖(せいこ)について書かれた「西湖志(せいこし)」を入手した広嘉は、その挿し絵から錦川にも西湖のようにいくつかの島を築き、アーチ橋を架けることを思いついたのだ。広嘉の命で築かれた橋は架橋直後に流出するも、翌年再建。以降、錦帯橋は「流れない橋」であり続けるための改良を100回以上重ねられ、貴重な通行路というだけでなく地元の心のよりどころとなった。
世界的にも例のない3連のアーチを含む5連の橋は、見た目の美しさはもちろん力学的にも非常に優れた構造。特徴的なアーチを生み出す精巧な木組みは、河原に下りて見上げよう。再建当時から改良のたびに伝えられてきた大工の技を感じられる。

この道を楽しむ

町側から橋を渡ると、岩国城とそのふもとにたどり着く。江戸幕府の一国一城令を受け、岩国城は築城からわずか7年で取り壊された。現在は、1962年に復元された城が岩国の街を見下ろす。美しい山水を味わうなら、ロープウェイで上るのがおすすめだ。城の天守閣からは岩国市内のみならず、瀬戸内海の島々、四国まで一望できる。
岩国城のふもとに広がるのは、吉川家の居館跡である吉香公園。往時をしのばせる中級武家屋敷の遺構、目加田家住宅や、吉香神社などの建造物が点在し、博物館などの見どころも集まるエリアとなっている。園内には錦帯橋の橋板加工策に関するデータを集める「実験橋」が設置され、この橋から得られた知見が次回以降の架け替えに活かされるそうだ。錦帯橋周辺は食べ歩きも楽しい。ゆったりと郷土料理の岩国寿司を堪能するのもおすすめだ。

この道を歩く

岩国城へ向かう山道以外はほぼ高低差がなく、タウン向けのウォーキングシューズで十分に歩ける。軽く、心地よい足当たりの一足が、よい旅のお供になってくれる。錦帯橋のアーチには階段状になるところがあり、少し気を付けて歩きたい。河原に下りて川面のきらめきを見つめていると、子どもの頃遊んだふるさとに紛れ込んだような、どこか懐かしい気持ちになる。また、違う季節に来てみたい。そう感じる懐深い風景に包まれた。

JR岩国駅から「錦帯橋行」バス乗車で約20分、山陽自動車道岩国IC下車約10分

この道を楽しむ

  • MEN'S
  • LADIES

2019 Spring & Summer

2018 Fall & Winter

2018 Spring & Summer

2017 Fall & Winter

2017 Spring & Summer