REAL WORK

本物にこだわる仕事

世界に誇れる、現在進行形のメイド・イン・ジャパンをご紹介します。
研ぎ澄まされた美しいデザイン、使って心地よく、長く愛用できるクオリティ。
逸品が生まれる背景には、作り手の真摯な思いが息づいています。

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靴下

Where good items come from Socks Navigated by Ayame’ Where good items come from Socks Navigated by Ayame’

足元の隙間を一変させる、色とりどりのオンリーワン

靴とボトムの間から覗くのは、とことんカラフル、どこまでも自由なクリエーション。
確かなものづくりから生まれた品々は、ファッション界のレジェンドからも大きな賞賛を受ける。
「Ayamé(アヤメ)」は男女で楽しめる、日本発の靴下ブランドだ。

一度目にすると、忘れられないインパクトを持つAyaméの靴下。色、柄、編み地が複雑に組み合わせられたパターンは、眺めるうちに異世界に迷い込んでしまうよう。それでいて、履くと足元にしっくり収まり、愛らしい表情をのぞかせる。このオリジナリティー溢れるデザインは、デザイナーの阿賀岡 恵さんが、柄の出方や糸の配置に気を配り、一段ずつ編み目を数えながら設計したもの。長くなればそれだけ手間がかかるわけで、ハイソックスを見ながら「こんな模様、よく組んだと思いますね。われながら少しおかしいかも」と笑う。そのデザインを形にするのは、日本における靴下の一大産地・奈良にある工場。複雑な模様のため通常より回転数を落とし、ゆっくりと編み上げていく。それを切り離し、爪先を縫い、蒸気を当てて圧縮し、整形。こうして完成した靴下は、平均で1足2,500円ほどという価格も納得の上質な仕上がりだ。「靴下は薄利多売の商売。安価な品も多いので高いと感じられるかもしれませんが、Ayaméは価格にふさわしい品を提供していると自負しています」

阿賀岡さんと靴下との出会いは、就職した大手靴下メーカーでのこと。「靴下企画部に配属されたんです。学校ではファッション専攻でしたが、靴下のことはイチから現場で学びました。楽しくて濃密な日々を過ごしていたものの、将来をイメージした時、ずっとここにいるのは違うなと思って」5年間務めた会社を退社。その後ロンドンへの1年間の留学を経て、Ayaméを立ち上げた。「会社員時代は、遊んだデザインを提案しても却下されることが多くて。だから自分のデザインは黒や白は極力使うまいと決めていたんです(笑)。その一方で、編みの構造やテンションのかけ方を叩き込まれたことは、上質な靴下を作るうえでとても助けになっています。ロンドンでじかに触れた、自分らしいお洒落を楽しむ男性の姿も刺激になりました」デザイン・生産管理・営業・経営と一連の作業をほぼひとりでこなしつつ、さまざまな壁を乗り越えて昨年10周年を迎える。それを記念した期間限定ショップはメディアでも取り上げられ、大きな話題となった。「卸が中心なので、今まで実際のユーザーさんと接する機会があまりなかったんです。このショップでは、驚くほどたくさんの方にお越しいただいて。これまで間違っていなかったと自分を認められた気がします」現在では国内はもとより海外でも大人気。特にロンドンでは百貨店ほか多くのショップで扱われ、ファンも多い。「『君の靴下にはスタイルがある。ファッションは来ては去ってゆくけれど、スタイルは去らない』とは、ロンドンの伝説的ブランドの創始者の方に言われた言葉。他の方にもそれぞれの言葉でAyaméへの思いを語っていただくことが多くて、励みになっています。これからも、流されず、貫いていいものを生み出し続けていきたいですね」

Navigator : Ayaméデザイナー阿賀岡 恵さん
http://www.ayame-jp.com